製品をつくる生産ライン(削る、運ぶ、穴をあける、組み立てる、など一連の生産作業を行う設備)を構築するのが、私たち生産技術の仕事です。具体的には、新しい工場が立ち上がるときや、新しい製品をつくるための新しい生産ラインをつくる仕事です。一年の半分ほどデスクで生産ラインの設計や機材の調達に奔走し、残りの半分は実際の現場に出て設備の調整やメンテナンスを行っています。とくに、現在はエンジンベアリングの生産方法の革新を目指すメタル事業改革プロジェクトに所属しています。
知っていましたか? 直径数センチ足らずの部品をつくるために、生産ラインには数十台の巨大な機械が入っていることを。
たとえば、部品を“右から左へ運ぶ”という動きひとつのために、どの機械をどうつなげて配置すると、無駄な動きがなくスムーズに次の工程にすすめるか。そうした各作業工程について機械を準備し、工場内のレイアウトを設計し、実際に工事をして組み立て、ひとつの生産ラインを稼働させるのが、私の毎日の仕事です。
‥‥と、説明するのは簡単ですが、図面通りには絶対にいかないのがこの仕事の難しいところ。どれだけ精査に設計をしても、実際つなげてみるとキカイさんは思いもよらない動きをしてくださる。
「こんなところで止まるのか!」 「なぜうまく掴めないんだ!!」
そんな問題を、懲りずにひとつ一つ解決していき、完成度を高めていきます。機械って本当に生き物みたいです。
もちろん、生産ラインを立ち上げて完成ではありません。きちんとした品質確保ができるまで、何度も加工・トライを繰りかえします。その後も現場での使い勝手の善し悪し、微調整などメカニックとして工場にはいり、生産がスタートできる状態まで作り込んでいきます。着手してから生産開始までおよそ6ヶ月。まったくゼロの状態から100%の精度で製造可能な生産ラインを作り出すのですから、想像すると少し気が遠くなるでしょう? それにあなたがワクワクできるなら、この仕事に向いているかもしれませんね。もちろん、私もその一人です。
「大豊岐阜(株)第2工場の生産ラインの立ち上げを頼む」。
その任務を受けたのは、ちょうど入社7年目の冬でした。メンバーは若手をふくむ7名。大豊岐阜(株)での生産開始にともない、エンジンベアリングの生産ラインをゼロからつくるプロジェクトです。その頃の私には初めての大規模プロジェクトだったので、朝から晩まで一日中頭のなかは生産ラインでいっぱい。あの場所にこれを配置するとどうなるか、あの不具合をどうすれば直せるか‥‥寒さの厳しい冬の工場内を歩き回って、検証と調査と設計。豊田市からの移動時間さえもったいなくて、岐阜に泊まり込みで仕事に打ち込みました。そして、4ヶ月後にようやく完成。もうグッタリ(笑)。と同時に、仲間と共に完成させた生産ラインは私の自信と誇りにつながりました。
今私が取り組んでいるのは、当社の主力製品エンジンベアリング(メタル)の部品を、もっとお客様のニーズに合うように、製法を革新するプロジェクトです。そのための勉強や情報収集は欠かせません。展示会があれば新しい機種の情報を、工作機械メーカーさんと生産設備のトレンドを情報交換。未来の部品を生む生産ラインの開発に、力を注いでいます。全体の構想を練り、チームを引っ張っていく立場になれるよう、さらなる経験を積んでいきたいと思っています。
その会社で自分が何をしたいのか。その強い思いが就職活動では大事なことだと思います。だって、自分に何ができるのか、なんて実際シゴトをしてみなければ分からないじゃないですか。その意味では、当社はエンジニアにとってとてもやりがいのある環境だと思います。なにせ、やることが幅広い。たとえば生産技術だったらデスクで設計することもあれば、現場で油まみれになることもある。やりたいことがあって、それを伝えることができる人であれば、いろんなことを経験できますよ!